ダイムラーはコロナ第1波の四半期を乗り切り、高級路線へ改革を続ける。 | ドイツ戦略コンサルティング

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ダイムラーはコロナ第1波の四半期を乗り切り、高級路線へ改革を続ける。

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ダイムラーは2020年7月17日に四半期(4-6月)の業績速報を発表した(7月23日に正式にリリース予定)。グループ全体の税引前利益(EBIT)はマイナス16.8億ユーロであるものの、予想よりも良い結果である。オラ・ケレニウス社長 (2019年に就任)はコメントをした。
「この四半期はコスト削減をし、運転資本の管理に努めた。またそれだけでなく、電動化やソフトウェアに関する戦略的パートナーシップを結ぶ取り組みをしてきた。市場の回復により、赤字幅を予想よりも小さくすることができた。今後も損益分岐点を管理するために、コスト削減など継続的な努力が必要である。」

ダイムラーのニュースリリース原文

ドイツ/EUではコロナ第1波の最悪期は過ぎたと、欧州の政府や各機関が発表している。さらにドイツの7月以降の自動車販売台数は6月より大きくなると予想する。それは6月あたりからドイツではロックダウンが緩和し、経済が上向く兆候が見られていたのだが、同時にこのタイミングで「2020年のVAT税率(付加価値税)を7月以降は下げる」との発表がされた。このことより、景気が刺激される上に「自動車を買うなら7月まで待とう」という消費者心理が6月に働いていたと考える。このため、ダイムラーはコロナ第1波の最悪期を乗り切ったといえる。

今回の四半期決算では、金融サービスが黒字であったものの、乗用車とバン、トラックとバスを備えた車両部門は赤字であった。BMWとの損をするカーシェアリングの合弁事業Your Now でも 1億500万ユーロの特別費用を計上している。また構造改革のため、フランス、アメリカ、メキシコでの生産合理化と生産能力削減のため、乗用車およびバン部門における6億8,700万ユーロの特別費用を計上する必要があった。 しかし商用車で収益をあげることができた。このため、予想よりも赤字幅を抑えることができた。

またダイムラーは昨年の同四半期は営業赤字であり、構造改革が進めている。

ダイムラーの目指す方向性は、LVMH社(ルイ・ヴィトンやディオールを始め、多数の高級ブランドを傘下に置く企業)であると、ケレニウス社長は述べていた。トヨタやフォルクスワーゲンのような大量生産の自動車会社とは異なる競争領域で戦う考えである。Aクラスのモデルを減らす、高級なSクラスを増やす方針である。更にEVに注力する。これが戦略方針である。

現状では電動化が遅れている。そのためダイムラーはドイツ国境近くのロレーヌに工場を売却すると発表することや、今回の四半期にあるように生産能力削減に動いている。



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