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鉄鋼の産業方針をドイツ政府が発表

ドイツ政府

2020年7 月20日、ドイツ連邦内閣(連邦経済エネルギー省)は鉄鋼産業のコンセプト「強いドイツとヨーロッパの鉄鋼業のために(Für eine starke Stahlindustrie in Deutschland und Europa)」を発表した。

ドイツ政府の狙い

原文:Für eine starke Stahlindustrie in Deutschland und Europa)

ドイツ政府は、鉄鋼業界に気候中立で国際競争力がある製品を生産することを求めている。連邦政府はこの方針で以下の目標を発表している。

  • グローバル鉄鋼市場の競争環境(ルール)作り。
  • 鉄鋼およびその他のエネルギー集約型産業のCO2排出削減。
  • 革新的な気候保護技術のパイオニアになる機会をつかむ

またドイツ政府は鉄鋼業界における低温室効果ガス技術への投資が支援され、水素の産業利用も促進する。

アルトマイヤー連邦経済大臣は、「これは環境に優しいドイツ製の鉄鋼を強化するというメッセージである。そのためのフレームワークを今回設定した。これにより気候保護と経済競争力を両立させることを示したいと思っている。今行動することは、ドイツの鉄鋼産業がで30年間競争力を保ちつつ、気候にやさしい方法で生産し続けることに繋がる。」とコメントした。

ドイツ鉄鋼協会の見解

また鉄鋼協会(IG Metal)のハンス・ユルゲン・ケルコフ会長は「ドイツの鉄鋼業界は、ドイツ政府による鉄鋼行動計画の採択を歓迎する。これにより、業界の課題に対処する一貫した全体的な産業政策の概念が提供された。今後数か月をさまざまな方法で使用する必要がある。コロナ危機の影響を克服し、新たな鉄鋼輸入危機を防ぎ、エネルギーと気候政策における公正な競争条件を作り出す必要がある。また、ドイツやヨーロッパレベルでの低炭素鋼生産への転換のための政治的手段を得ることも重要だ。」とコメントした。業界予測によると、ドイツではこの分野で今後、約300億ユーロ規模の投資が予測される。

また方針実現のためには、EUの貿易政策ツールの見直しを必要とする。具体的には、排出量取引システムを改革し、グリーンディールの枠組みを改訂する際に考慮することである。



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