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グリーン水素の輸入インフラ整備をドイツは検討

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コンセプト「H2グローバル」

ドイツ政府は、2020年6月にドイツ国家水素戦略を発表した。2050年までにカーボンニュートラルな社会を目指すためだ。これを受け連邦国際協力協会(GIZ)がドイツ水素燃料電池協会(DWV)と共同で「H2グローバル」というコンセプトを開発した。北アフリカ、オーストラリア、チリ、ブラジル、南アフリカ、ウクライナなどの拠点で、自然エネルギーから低コストでグリーン水素を生産し、ドイツへ輸入するコンセプトである。ドイツは電力だけでなく、鉄鋼や化学産業、重量物運搬車、飛行機でも水素の利用を検討しているため、自国の生産量だけでは賄えない可能性が高いためだ。尚、GIZは2014年より既に、チリ政府の水素事業開発を支援している。H2グローバルにより、パートナー国間で水素生産・運用に関するコンソーシアムを組むことを目指す。H2グリーバルは、まずは最大250メガワット(MW)の電解出力を備えたいくつかのプロジェクトを財政的に支援する予定である。企業サイドでは水素インフラ/輸入に関し、BASF、Bayer、Thyssen-Krupp、Siemens、Lufthansaなどが関心を示していると言われている。


水素ガスのパイプライン

一方、ドイツ国内に水素ガスを届ける役目を負うガスパイプライン事業者は2020年の初頭から水素ガスパイプラインに関し、積極的な姿勢を見せている。1月にドイツ北部の水素生成センターとドイツ西部と南部の主要な顧客を接続する5900キロメートルの水素ネットワーク構築の計画の発表である。これは既存のガスラインを利用し、水素ガスを届ける計画である。Open Grid Europe(OGE)、Gasunie、Gascade、Thyssengasなどの企業は、水素社会への移行へ準備万端であるシグナルを出している。

ドイツ政府だけでなく欧州委員会も2020年7月8日に、「EU水素戦略(The EU Hydrogen Strategy)」を発表をしており、水素に意欲的である。欧州委員会はその実現に向け、「水素版エアバス」とも言える官民の「クリーン水素アライアンス(The European Clean Hydrogen Alliance)」を発足させた。さらに、同月、アメリカ政府も2020年だけでグリーン水素経済の構築に6400万ドルを投資することを決定した。

現在はコスト高が課題と言われている水素であるが、モルガンスタンレーの分析によると、2023年に水素はコスト競争力を持つ可能性がある。

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