日本が「水素バリューチェーン推進協議会」設立。欧州を追随。
2020年夏に欧州は水素社会へ向けた戦略を打ち出し、実現へ向けて急速に計画を実行させている。日本も半年遅れ、欧州を追随する動きを見せ始めた。
欧州委員会のEU水素戦略
欧州委員会は2020年7月8日に、「EU水素戦略(The EU Hydrogen Strategy)」を発表した。また実現に向け、「水素版エアバス」とも言える官民の「クリーン水素アライアンス(The European Clean Hydrogen Alliance)」を発足させる。これは2019年12月に発足したフォンデアライエン欧州委員会委員長のグリーンディール政策の一環である。このようにグリーンビジネス分野、特に水素分野に置いて、欧州は世界を牽引する存在となった。
日本の水素戦略
元々、日本は水素分野では世界に先行していた。2017年に政府は「水素基本戦略」を打ち出しており、2030年時点で30万トンの水素を使う目標を立てていたが、今や勢いでは欧州に圧倒されている。しかし、安倍政権から菅政権へと交代し、日本は水素を含めてグリーンビジネスを急速に推進し始めた。この流れがあり、2020年12月7日に日本は「水素バリューチェーン推進協議会(Japan Hydrogen Association 略称:JH2A)」を発足させた。実際、水素バリューチェーン推進協議会は、設立の背景に「欧州、特にドイツの水素に関する動向がある」と見解を述べている。また当団体の目的は「サプライチェーン全体を俯瞰し、業界横断的かつオープンな組織として、社会実装プロジェクトの実現を通じ、早期に水素社会を構築する」である。
また会員企業数は87社 (2020年12月2日時点)である。共同代表者は、トヨタ自動車代表取締役会長の内山田 竹志、三井住友フィナンシャルグループ 取締役会長の牧野 明次、岩谷産業代表取締役会長兼CEOの牧野 明次である。
サプライチェーン全体を俯瞰し、業界横断的かつオープンな組織として、社会実装プロジェクトの実現を通じ、早期に水素社会を構築する
欧州に遅れること、半年も立たずに設立したことは早い動きだと考える。この調子で、水素分野で日本がプレゼンスを出すことを願っている。
(記事作成の参考にした情報源)