ダイムラー乗用車電動化戦略「future of mobility」
概要
- CASEを提唱したダイムラーは、2019年にホールディングス制へ移行
- 「future of mobility3つの道」でダイムラー乗用車の電動化戦略を発表
- メルセデスベンツは2025年までにBEV販売比率を15-25%へ高める
ダイムラーの中期計画「CASE」
2016年にダイムラーは中長期経営計画「CASE」を発表・提唱した。 CASEとは、C(Connected:コネクテッド)、A(Autonomous:自動運転)、S(Shared & Service:シェアリング/サービス)、E(Electric:電動化)の頭文字をとった造語である。 ダイムラーがCASEを提唱して以来、自動車業界が進めるべき次世代トレンドとして今や常識となった。
ダイムラーの組織再編
2019年11月にダイムラーは、組織再編を実施した。Daimler AGをち株会社とし、Mercedes-Benz AG、Daimler Truck AG、Daimler Mobility AGの3社が事業子会社とするホールディングス制へと移行することで、意思決定のスピードを向上させ、顧客重視の姿勢を強化することが狙いだ。Mercedes-Benz AGは乗用車とバンの開発、生産、販売のほか、関連サービスの提供に重点を置くという。乗用車を担当するMercedes-Benz Cars部門とバン(小型商用車を含む)を担当するMercedes-Benz Vans部門がグローバルビジネスを管理する。
ダイムラーのfuture of mobility戦略
また「サステイナブル」は商業的成功の意味も含めたコアとなる企業戦略の一つであるとダイムラーは語っており、「road to zero-emission driving(排出ゼロ運転への道)」へ向け、内燃車からの脱却を進めている。
上記に関連し、乗用車を扱う事業子会社であるMercedes-Benz AGは、2020年現在も「future of mobility戦略への3つのアプローチ(Strategy: Three ways to the future of mobility)」を示している。3つのアプローチは以下であり、現状では以下全てを組み合わせながら、電動化を進めている。
・電動化と組み合わせて内燃機関の高効率化
・ハイブリットモデルの製品数拡大
・BEV(電池を動力)またはFECV(燃料電池を動力)
また上記に関連し、以下、3つの戦略を打ち出している。
Strategy
- Everything new on the old one – high-efficiency combustion engines with increasing electrification
2022年までに、メルセデスベンツカーの全製品に電動化技術を導入する。 - Plug-in hybrids with EQ Power
EQ PowerシステムによりPHEVを強化し、2020年には20モデル以上を顧客へ提供する。 - All-electric driving as well with EQ
2025年までに販売に占めるBEV(電池のみを動力に走る自動車)の割合を15-25%まで高めることを目指す。
上記戦略には「燃料電池」は含まれていないものの、3つのアプローチには「燃料電池」が含まれていることにも着目したい。
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