NTTの中期経営戦略『Your Value Partner 2025』の進捗
NTTは2018年11月に中期経営計画『Your Value Partner 2025』を策定しており、2020年3月19日にその進捗を発表した。
4つの戦略と10の施策
中期経営計画では以下、4つの戦略の柱に基づいた計10個の施策(方向性)が掲げられている。
4つの柱と10個の施策
- お客さまのデジタルトランスフォーメーションをサポート
①B2B2Xモデル推進、②5Gサービスの実現・展開、③パーソナル化推進 - 自らのデジタルトランスフォーメーションを推進
④グローバル事業の競争力強化、⑤国内事業のデジタルトランスフォーメーションを推進、⑥PSTNマイグレーション推進 - 人・技術・資産の活用を推進
⑦研究開発の強化・グローバル化、⑧新事業の取り組み(不動産利活用 等) - ESG経営の推進、株主還元の充実による企業価値の向上
⑨地域社会・経済の活性化への貢献、⑩災害対策の取り組み
上記を見てわかる通り、デジタルトランスフォーメーション(以下、DXと呼ぶ。)を強く意識した計画となっている。ゆえに施策の中でも特にDXに関係が深い、①と③についての進捗を紹介する。
施策①:B2B2Xモデル推進
これは顧客企業のバリューチェーンをITを活用して高度化するB2Bビジネスでの収益拡大戦略である。例えば、農業の生育・栽培工程管理のデジタル化、製造工程・工作機械管理のデジタル化、AIを活用し一人ひとりに合わせた最適なお客さま対応する能力を流通企業へ導入などがある。2019年1月にB2B2X戦略委員会を設置し、2021年度にプロジェクト数を100とすることを目指している。2019年9月末時点のプロジェクト数は54まで拡大した。
(画像はNTTウェブサイトより。クリックで拡大)
施策⑤:国内事業のデジタルトランスフォーメーションを推進
これはIT技術により自社業務を自動化することによるコスト削減施策である(※自社だけでなく顧客へ販売可能なソリューションにもなり得る)。2018年8月に主要各社にCDO(Chief Digital Officer:最高デジタル責任者)を設置し、グループ横断ワーキングで検討したデジタル化施策を強力に推進した。2019年6月までに、NTTドコモ、NTT東日本、NTTコミュニケーションズの一部電話問い合わせについて、原則自動化することにより業務を効率化した。今後、NTT西日本へも拡大予定である。
RPAについては順調に導入を推進し、2018年11月時点よりロボット数は0.3万増の1.5万、業務プロセス活用数は350増の850に拡大した。
(画像はNTTウェブサイトより。クリックで拡大)
(参考記事)宇宙ビジネス。デジタルインフラの破壊的創造。
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