今、欧州拠点を設立するなら、ドイツにする理由。 | ドイツ戦略コンサルティング

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今、欧州拠点を設立するなら、ドイツにする理由。

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欧州拠点となる現地法人を設立する国を選定する場合、ドイツが良いと考える。欧州でビジネスをし、かつ、オランダとドイツそれぞれで会社設立した経験と知見に基づき「今、どこに設立すべきか」について見解を書く。

まずブレエグジット前は、欧州統括拠点としてイギリスが圧倒的に人気であった。
理由は様々あるが、欧州3大経済国(独・英・仏)の中で、唯一、英語のみでコミュニケーションが取れるという要素が大きい。しかしイギリスがEUでなくなったため、このタイミンングでイギリスを欧州拠点とすることは、リスクが高く、良い判断とは言い切れない。(むしろ、ブレエグジットが決まってから日本や欧州を含む外資企業はイギリス外のEU国へ拠点を移す動きが続いている)。ブレエグジットの交渉次第では、巨大市場EUでビジネスするためには関税と取られたり、手続きに時間を取られたりする等、ビジネスへの悪影響が大きくなる可能性があるためだ。ビジネス的な理由だけでなく、イギリスで暮らし、ビジネスをすること自体に憧れを持つ日本人は多いため、この状況は非常に残念である。(※イギリスで拠点設立する場合は、全ての交渉が終わってから判断することが良い。)

そうなると必然的に「では、イギリス以外ではどの国に拠点を設立すべきか?」となる。結論から言うと、多くの企業にとってドイツか良いだろう。

ドイツを選ぶ最大の理由は、多くの企業にとって「顧客へのアクセスが良い経済大国」だからである。もちろん、ケースバイケースであるため、それ以外の国が良いケースはもちろんある。現地顧客(候補)の立地に合わせて進出国を選定することが一般的であるため、フランスやイタリアに拠点を構えることが良いというケースもある。しかし多くの日本企業が現地で利益を稼ぐ国は、DACHエリア(ドイツ・オーストリア・スイスを合わせたドイツ語圏の市場を指す)である。大消費地エリアであり、優秀な人材も集まっているため、イギリス等の他国に欧州統括拠点を持つ企業も、十中八九、販売拠点をここに持っている。またその中でも、欧州最大の経済国であり、他国へのアクセスインフラが整ったドイツを拠点地とすることは自然なことである。

さらに世界銀行のデータによると、ドイツはイギリスに次いで欧州大国である。また日本企業も多いため、情報交換も比較的に容易に行える。参考までに欧州で一番日本人が多い都市がデュッセルドルフである。他都市と比較訪問して見ると感じて頂けるが、良くも悪くもデュッセルドルフは海外という感じが薄い。そのため、日本語だけで十分生活でき、ドイツ現地の肌感覚が身につきはしにくい反面、圧倒的に生活はしやすい(=言い換えれば、駐在員がビジネスに集中できないということも意味する)。

以上が「今、欧州拠点を設立するなら、ドイツにする理由。」である。

ビジネス環境の
世界ランキング
欧州の国経済規模EU市場への
アクセス度
日本企業
進出数
4位デンマーク
8位イギリス×(Brexit)
9位ノルウェー
10位スウェーデン
11位リトアニア
18位エストニア
19位ラトビア
20位フィンランド
22位ドイツ
24位アイルランド
27位オーストリア
30位スペイン
32位フランス
36位スイス
29位(参考)日本--

(参考)ビジネス環境の世界ランキングの出所は、世界銀行「Ease of Doing Business rankings」

 

これはあくまで「今」の話である。Brexitの交渉次第で引き続き、将来イギリスが良いとなる場合もある。また欧州拠点に求める条件によっては、オランダ(税制優遇国であるためホールディングスがおかれやすい)やベルギー(欧州委員会の本拠地でありトヨタ等の日系企業の欧州統括拠点もある)が良い場合もある。

さらに、上表のビジネス環境ランキングでは良い結果ではないものの、経験上、ドイツよりオランダの方が容易に会社設立できた。それは、オランダは圧倒的に英語が通じる国であるからだ。良く欧州のひとは皆、英語が話せると誤解される。しかし(北欧など特殊国はあるが)基本、欧州では現地語が話せないと生活もビジネスもままならない(=生活もままならないというのは、つまり、駐在員がビジネスに集中できないということも意味する)。オランダは英語さえ話せれば良く、簡易的な手続きで会社設立が可能である。

ビジネス開始の容易さ
(※簡易的な比較)
オランダドイツ
会社登記の書類英語でOKドイツ語のみ
(英語併記可)
設立の手続き公証人にメールで依頼し、設立完了まで待つだけで良い公証人の事務所へ株主・経営者が出向き、登記簿の内容確認をする義務がある。
登記住所バーチャルオフィスを借りれば良い(物理的なオフィスがなくても良い)24時間365日アクセス可能な物理的な住所が必要
実効税率課税所得20万ユーロ未満は19%、20万ユーロ以上の課税所得については25%。29.8%

上記は一例であるが、これだけでもオランダは会社設立がし易いことがわかる。

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