イギリス国内で燻る、スコットランド独立の火種。 | ドイツビジネスコンサルティング

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イギリス国内で燻る、スコットランド独立の火種。

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スコットランドでは再び、イギリスからの独立へ向けた火種が燻っている。

スコットランド市民の独立心

スコットランドでは、Brexit以前よりイギリスから独立したいという意見を持つ市民が多い。またスコットランドのニコラ・スタージョン首相は2021年5月の選挙へ向けて、独立国を目指すキャンペーンを行っている。

この動きの根底には、スコットランド市民の「独立国になりたい。EUメンバーでも居たい。」という強い思いがある。
2014年9月、スコットランドはイギリスから独立することを問う国民投票を実施した。45%が独立を支持したものの、結局イギリスに止まることとなった。

スコットランド市民は親EU

なぜ独立に過半数の支持を得ることができなかったかというと、独立した場合はEUメンバーではなくなることをスコットランド市民が嫌ったからである。

なぜならEU加盟国となるためには、同じく当時EU加盟国であったイギリスの承認が不可欠であっただが、スコットランドのEU加盟を認めないとイギリス政府は公言していた。これが理由でスコットランド独立の話は立ち消えたのだが、Brexitによりもはやその障害はなくなった。それどころか今後はイギリスで在ることにより、スコットランドはEUメンバーとなれないことに強い不満を持っている。

Brexitにより消えた独立への障壁

その結果、現在のスコットランドの世論は過半数がイギリスからの独立を求めている。そのため、スコットランド政府は独立国を目指すキャンペーンを行っている。しかしイギリスのボリスジョンソン首相は、スコットランドが独立するための国民投票を実施することを認めていない。これが唯一の抑止力となるであろうが、どのような結果になるかはまだ見えない。

尚、2019年にスペイン国内では、カタルーニャ州政府が独立を求める総選挙を勝手に実施した。その際に、EUは加盟国で在るスペイン政府の肩を持った。しかしスペインの状況とは異なり、現在のイギリス政府はEU加盟国でない。親EU派のスコットランド政府の肩を持つか、反EU派のイギリス政府の肩を持つか、または静観するか、はっきりと見解を述べることはまだ難しい。

 
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