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三菱自動車はEV先端市場である欧州攻略を諦めた。

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事業縮小せざるを得ない業績

三菱自動車は2020年7月27日に中期経営計画を発表した。

(原文)中期経営計画「Small but Beautiful」

構造改革を進めている最中にコロナ危機が直撃したことがあり、三菱自動車は事業縮小することを選択した。

コロナが本格化する前である2020年3月期の三菱自動車の営業損益は、東南アジア以外は全て赤字であった。東南アジアで稼いだ利益(+636億円)を、北米(-182億円)・欧州(-181億円)・日本(-126億円)の赤字補填へ回しても賄えない状態であった。そのような状況下にコロナ危機が直撃し、2021年3月期の連結最終損益が3600億円の赤字(前期は257億円の赤字)になりそうだと発表した。

このため企業が生き残るために、事業縮小を決断した。

欧州EV市場で戦う体力が残っていない。

先日、テスラがトヨタの株価を上回り世界一の時価総額の自動車会社となった。ここからもわかるよう自動車業界ではEVが最重要となり、資本市場からの期待値も高い。

さらに今、世界で最も有望なEV市場は欧州である。

実際、テスラや中国・韓国メーカーがこぞって、欧州EV市場への参入・事業拡大が続いている。

もちろんEVで最有望市場ということは、開発等の投資コストが多く必要となる。今後の成長を考慮すると欧州でEV攻略を目指し、それを他市場でも展開することが良い。なぜなら、特にアジアで販売する場合、「欧州で販売している」という事実自体がブランドなり、消費者が好んで選ぶからだ。

内燃車で戦うという選択肢

三菱自動車は、欧州で新車販売をすることを辞める方針を出した。これは苦渋の決断であったと考える。しかし、「欧州から撤退」としないとのは、前述の通り、アジアで販売するためには欧州市場で残ること自体に必要だと考えたからだと推測する。

将来のことを考えると欧州でEV市場で戦うことは必要であるが、現在の業績から考えると赤字市場は縮小し、生き残ることを優先させることも一つであろう。

また内燃車(ハイブリット含む)のみで戦うという選択肢も、また一つの戦略である。つまり発展途上国で戦うということだ。

電気インフラが整った先進国ではEVが普及する実現可能性は高いが、発展途上国ではそうはいかないからだ。そういった国では、内燃車が今後も販売されることが考えられる。

三菱自動車がアジアの次に注力する市場を南米や、石油産業で成り立っている中東としたのも、もしかしたらそのような戦略を考えているためかもしれない。そうすると稼げる市場で体力をつけた後に、再度、先進国で勝負するということも可能となる。

将来、三菱自動車が復活し、また欧州で戦うような状態になることを期待している。



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