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各業界のROIC水準は?/ 全業界1位のバイオは90%

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2020年6月23日に米国のマッキンゼー社は企業価値評価第7版を発売した。(尚、同著書の日本語訳版は、2020年現在、まだ発売されていない。)

業界ごとのROIC水準を比較

本書から読み取れる業界ごとのROIC水準(2013-17年)は下表のとおりである。

(参考)ROICとは?計算法方法は?

 

#業界ROIC(%)
中央値
(2013-17')
ROIC(%)
中央値
(1995-99')
1バイオテクノロジー9050
2情報サービス/ソフトウェア8252
3医薬品4538
4医療機器4222
5工業コングロマリット4012
6高級コンシューマーグッズ2914
7メディア2819
8テクノロジーハードウェア2712
9ラグジュアリーグッズ2613
10B2B/専門サービス2212
11航空宇宙・防衛2011
12エアーライン198
13機械1812
14家庭用耐久材1711
15自動車/自動車部品1710
16小売169
17化学1510
18卸/商社1410
19ホテル/レストラン/レジャー1310
20原材料/部材128
21建設1114
22テレコミュニケーション109
23輸送/ロジスティクス98
24鉄鋼/採鉱58
25石油/ガス/燃料46
26水道/電力等のユーティリティ35

注)米国の市場分析結果である

 

上表のデータによると、バイオテクノロジーと情報サービス/ソフトウェア業界のROIC(2013年-2017年中央値)は、それぞれ90%、82%と圧倒的に高いことがわかった。過去、全ての業界のROIC水準を見ても、この数字は異常値と言っても過言ではないくらい高いと言える驚愕の数字である。

出所: マッキンゼー社:企業価値評価 第7版(最新/ 原著)

 

 


重要性が高まるROIC指標

投資家にとっても、経営者にとっても、今やROICが最重要指標の一つであることが常識となった。これは、1990年にマッキンゼー社が出版し「Valuation(企業価値評価)」で、企業価値を左右するバリュードライバーが、ROICと成長率、そして資本コストであるという分析結果がきっかけとなっている。 その後、様々な過程を経て、ようやく日本でもROICを指標とする文化が広く根付いてきたように実感している。

尚、2020年現在、同書はまだ日本語版では出版されていない。しかし過去実績から考えると、1年後には日本語版が発売される予想している。2020年時点での日本語の最新版は第6版である。

(参考)マッキンゼー社:企業価値評価 第6版

 

この本は、経営戦略を理解する上での必読書であるため、一度、手に取られることを強くオススメする。この本は、投資家視点と経営者視点の両方を理解するために必要な本であると考えている。例えば「株価はファンダメンタルに従う」こともこの本では、証明してくれている。また経営戦略として検討されるM&A、スピンアウト、コスト削減等が、株価にどう影響するのかについても論じられ、M&Aの際に実施するバリュエーションの手法の説明もある。



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