企業戦略の担当となる新入社員にオススメしたい習慣。 | ドイツビジネスコンサルティング

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企業戦略の担当となる新入社員にオススメしたい習慣。

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※ 新入社員や、突然、戦略を考えなければならないポジションに異動することとなった方に向けた記事である。(新入社員以外は研修や実戦で既に身に付いていると考えているので、本記事を確認・リマインド代わりに利用してもらいたい。)

企業戦略(経営戦略/事業戦略)を担当する上で、知っておいて(身につけて)頂きたいと思う習慣がある。それは、トップダウン思考とボトムアップ思考に関する習慣である。

 

トップダウン思考

おそらく企業研修や多くのビジネス書にも書いていることであるが、効率よく戦略を練るためには「仮説」が重要である。戦略は無数にあるため、仮説なしでやみくもに考えては時間を浪費してしまうからだ。
戦略を策定する場合、まずはゴール(目的)から逆算して、解くべきイシュー(課題)を設定する。その後に「その課題を解決するためのソリューション(答え)は何か?」について考えてく。この場合、トップダウン思考で重要だと述べた「仮説」は「解くべきイシュー(課題)」を指す。
これは日系/外資系に関わらず、戦略コンサルタントの標準的な思考である。これに関しては、元マッキンゼーの安宅さんが良書を出している。


紹介した本をはじめ、多く情報が出ているため、トップダウン思考については、ここまでに留めておく。

 

ボトムアップ思考

意外と軽視されがちだが、実は、戦略の質(仮説の質)を決めるのがこのボトムアップ思考である。例えると、井戸から水(良い戦略)を汲み上げるためには、井戸のつるべ(トップダウン思考)と、井戸の底にある大量の水(ボトムアップ思考)が必要という状況と同じである。ボトムアップ思考には2つの意味がある。
1つは、日常的な情報収集である。井戸の底に溜める水量を増やすと言うことだ。良い仮説を練るためには、それを考える前提知識は多ければ多いほど良い(※逆に、トップダウンで戦略をいざ考える際には、情報を集めすぎると混乱するだけで逆効果となる。あくまで日常的な情報収集を指していることに注意すること)。必要な知識を普段から収集し、自分なりのデータベースを作ることが重要である。尚、世に言われている「データベース」は、もともとアメリカ軍が考えた概念である。今でも「メルケル首相の好物は何か?」のような小さな情報まで収集し、いざという交渉の時には、それを活用している。企業でも例えば、海外の事情が全くわからないのに、いきなり海外戦略を練るというのは無理がある。その場合、以下にあるURLから情報収集してみるのも良いだろう。
(参考)海外市場調査/情報収集に便利。海外メディア118社の一覧
しかし、まずは日経新聞(難しければ、ロイターやブルームバーグのような無料メディア)を読むことからはじめて見るのもいいかもしれない。
「メディアの情報は遅い。仕事で見聞きする情報で十分である」という意見は、現場では多い。実際そうなのだと思うが、(戦略を考える業務を担当しているような)役員クラスからは、そのような意見は聞かないという事実もある。このことからも情報収集の習慣はある程度は重要だとわかっていただけると思う。

もう1つは「目の前の状況、データから何が言えるか?」と自問自答することで、それを言い表す上位概念を導き出すことである。ピラミッドの一番上のようなものだ。トップダウンからの視点だけでなく、ボトムアップの視点で分析することで新しいものが見える可能性がある。私が新卒時に欧州系コンサルティングで働いていた頃、当時会社のエースと言われていた先輩が「トップダウンとボトムアップの繰り返しでないと、良い仮説は練れない。」と言われていたことを今でも覚えている。

 

以上のように、トップダウン思考とボトムアップ思考(日常的な情報収集・考え方)の習慣を身につけることが大切だと考える。

So what?とWhy so?

尚、ロジカルシンキングの話であるために少し応用となるが。仕事や情報収集をする中で気になった情報が出てきた場合に、So what?(トップダウン思考:「この情報から何が言えるのか?」)とWhy so?(ボトムアップ思考:この情報は本当にそうなの?なぜ?)を自問自答することも、自身のスキルアップにつながる良い習慣であると考える。

 

(参考1)ロジカルシンキング名著 1

「考える技術・書く技術(バーバラミント著)」

 1冊だけしか選べないならこの本を読む。

 

(参考)ロジカルシンキング名著2

「ロジカル・シンキング(照屋・岡田著)」

 2冊目を選べるならこの本を読む。

 

 

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