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企業価値を最大化させるシーメンスの組織改革

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組織の再構築

シーメンスは2018年に発表した「戦略2020+」の組織体制を発表した。その際には、戦略カンパニー3社・事業カンパニー3社の、6事業を柱としたカンパニー制であった。しかし、2020年にそれを変更し、シーメンスAG、シーメンスエナジーAG、シーメンスヘルシニアーズAGの「シーメンスブランド3社を中心としたエコシステム」へと再構築した。

企業価値を最大化

これは企業価値を最大化させることも一つの理由である考える。1つの企業が多くの事業を抱えることで本来の企業価値よりも評価が低くなる「コングロマリッドディスカウント」を解消するためだ。特に、シーメンスエナジーとしてエネルギー事業を切り離したことで、企業価値の変動リスクも同時にゼロに近くすることが可能となった。
実際、同事業で競合であったGE(General Electric)は、このリスクにより今年大きく打撃を受けた。
またエネルギー業界では、近年、急速に脱化石燃料の動きが進んでいる。実際、BPも今年1月に、2050年にカーボンニュートラルとなることも発表した。さらに、シェルも「2050年には石油をドイツで販売しない。その代わりに、合成燃料(e-fuel)、バイオ燃料、グリーン水素を生産する。我々は完全に異なる会社になる。」と2020年10月に発表した。
このことからもシーメンスエナジーを切り出すことに意味があることはわかる。

シーメンスブランド3社

シーメンスブランドは、シーメンスAG、シーメンスエナジーAG、シーメンスヘルシニアーズAGの3社となった。
シーメンスAGは利益率の高いデジタル事業へフォーカス。シーメンスエナジーAGは再生可能エネルギーインフラ事業へフォーカス。シーメンスヘルシニアーズAGは医療機器事業へフォーカスする体制である。シーメンスAGはエネルギー事業を切り離したため、主な競合はGEでなくABB(スイス)やロックウェル(アメリカ)となった。

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