水素の液体燃料e-fuelへ。トヨタ勢がAudiを追い始める。 | ドイツ戦略コンサルティング

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水素の液体燃料e-fuelへ。トヨタ勢がAudiを追い始める。

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EV化がメディアで大きく取り上げられ、実際に普及が進んでいるが、その裏では水素自動車(燃料電池自動車)や水素の派生車であるe-fuel車の研究が進められている。

「e-fuel(イーフューエル)」とは?

e-fuel(※e-fuelsやefuelも同義)とは、水を電気分解したH2とCO2を触媒反応で合成した液体の炭化水素鎖(燃料)のことである。つまり水素を利用した液体燃料である。水素は、再生可能エネルギーを利用して生成される(=「グリーン水素」と呼ばれる)。ゆえにe-fuelは、水素自動車やBEVと同じくモビリティで「カーボンニュートラル(炭素中立)」を実現させる手段である。

e-fuelの問題は製造コスト

しかし現状では、e-fuelの製造コストは高く、1リットルあたり500円である。これが実用化への最大の障壁である。コスト削減には、炭化水素鎖を合成する製造法であるフィッシャー・トロプシュ(FT)反応を改良する必要がある。しかし、e-fuelであれば既存の給油インフラ(=ガソリンスタンド)を利用することが可能である。また電気自動車用の電気は貯蔵が難しく(=莫大なバッテリー量が必要)、充電時間の長さにも問題がある。一方、e-fuelであればその両方の問題がクリアできる。

先行するドイツAudi

e-fuel分野では、ドイツAudi(VWグループ)が研究開発で先行している。2017年にAudiはe-fuelの研究施設をドイツ国内に設立した。またAudiはe-fuelの研究開発は進めるが、e-fuel自体を製造販売する可能性は低い。欧州自動車メーカーが支援し、石油会社が実際の製造を担う構造となると考える。欧州の石油業界団体フューエルズ・ヨーロッパも、カーボンニュートラルな液体燃料の開発に取り組むことを6月に発表していることから、その意欲が伺える。また大手部品メーカーの独マーレでも、同社が提供する既存のエンジン部品で、e-fuelが問題なく動作することを確認ずみである。

e-fuelで追撃を始めるトヨタ勢

このような動きに対応して、トヨタ自動車、日産自動車、ホンダの日本勢もそれぞれ、e-fuelの研究開発に向けて本格的に動き出した。EVにのみ開発を集中し、仮にe-fuelが主流になった場合に、欧州勢に必要特許をすべて抑えられてしまうリスクを避けるためでもある。また実現した場合の方向性も欧州と似ており、e-fuelの製造は燃料会社が担い、自動車メーカーは燃料会社の後方支援と考えている。

 

(参考) e-fuelの開発へ意欲を見せたポルシェ。

(参考) トヨタ社長「100年に一度の大変革」のコトバの意味。

(参考) e-fuelで連携、ポルシェとシーメンスエナジー。

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EV一色だった将来シナリオに変化の兆し

2019年までの欧州はEV一色であったが、2020年を契機に水素(e-fuel)の重要性が増し、将来シナリオが大きく変化する可能性もある。しかし他国(特に中国)との関係もあり、欧州は今後の自動車産業戦略を水面下で進めている。このため、日々の経済の動きから水面下の動きをボトムアップで推察し、欧州の自動車市場の将来シナリオを随時修正する必要すべきである。またデジタル分野では米中に劣る欧州であるが、「環境ビジネス」では先進地域である。そのため、日本や世界の自動車市場の将来を検討する上で欧州地域をしっかりとベンチマークすべきである。
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