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ドイツ語の財務諸表①:損益計算書の分析

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ドイツ語での損益計算書(Gewinn- und Verlustrechnung)の読み方について解説する。

ドイツ語の損益計算書

ドイツ語で財務諸表を読むことできると情報の幅が広がり、ドイツ企業を深く分析することが可能になる。

なぜならドイツには買収したくなるような中堅企業が多数あるにも関わらず、その財務諸表はドイツ語のみで書かれていることが一般的だからだ。(※後述するが、SpeedaやS&P等の有料サービスでも財務諸表は取得可能だが、それは最新版でなかったり、売上のみ取得可能だったりと取得可能な粒度が全く異なる。)

損益計算書(Gewinn- und Verlustrechnung)

 #(日本語)(ドイツ語)
1売上高Umsatzerlöse
+/-2完成品/仕掛品の調整Bestandes an fertigen und unfertigen Erzeugnissen
+3その他の営業収益Sonstige betriebliche Erträge
-4材料費Materialaufwand
5粗利益Rohergebnis
-6人件費Personalaufwand
-7減価償却費Abschreibungen
-8その他の営業費用Sonstige betriebliche Aufwendungen
9営業利益(EBIT)Betriebsergebnis
+/-10営業外収益/費用 Sonstige Zinsen und ähnliche Erträge
11税引前当期純利益Ergebnis vor Steuern
-12税金Steueraufwand
13税引後当期純利益Ergebnis nach Steuern




ドイツ会計基準では、総原価法(Gesamtkostenverfahren)と売上原価法(Umsatzkostenverfahren)のどちらかの方法で損益計算書を作成することが認められる。上表は、総原価法を採用した場合の損益計算書である。(経験上、この方法を採用している企業が多いように感じるからだ)。

また表最左部に演算子を入れている。「1. 売上(Umsatzerlöse)」から演算子を辿って計算することで、それぞれの数字を算出できる。

またM&A案件等では、EBITDAを算出したいと考える場合が多い。EBITDAは、以下のようにすれば算出できる。

『EBITDA = 営業利益( #9: Betriebsergebnis)+ 減価償却費(#7:Abschreibungen)』

ドイツ語での財務諸表が読めるようになればM&Aや投資に必要な「企業価値(EV: Enterprise value)」等、各種指標で企業分析が可能となる。
(参考)企業価値とは?なぜ企業価値やROICが重要視されるのか?(参考)ROICとは?計算方法は?(参考)各業界のROIC水準はどの程度?(参考)NOPLATとは?計算方法は?(参考)EBIT、EBITA、EBITDAとは?

ドイツ語で損益計算書を読めるメリット

この記事ではドイツ語の財務諸表を解説しているが、日本企業の分析対象となるドイツ企業の多くは、国際会計基準(IFRS)で英語の財務諸表を公開しているため、ドイツ語の財務諸表を読む必要がないかもしれない。しかし、ドイツには中規模であるが圧倒的な製品競争力を持つ、いわゆる「隠れたチャンピオン(hidden champion)」と呼ばれる企業が多い。このような企業を分析するためには、ドイツ語の財務諸表を読めるようになる必要がある。なぜならドイツの隠れたチャンピオンは、地方の中堅企業というケースが大半である。そのためドイツ語でしか取得可能できない情報も多い。その一方で、日本国内のコンサルティング会社は外資・国内資本に関わらず、英語と日本語で調査を進めることが大半である。故に、実は十分な情報が取得できていないという現状がある(かつ、そのことに気づいていない日本企業も多い)。
例えば、当該企業の詳細な財務諸表はドイツ語でのみ取得可能だというケースは多い。
実際、以下表(またはリンク先の2ページ目)を見て比較して頂きたい。
これは2017年に独メディア主催の「隠れたチャンピオン賞」を受賞したA社の損益計算書である。
※ ピンク色部:某有名データベースで取得可能な損益計算書の粒度、
※ 青色部:ドイツ語調査で取得可能な損益計算書の粒度

(参考)国際競争力を持つ優良企業。ドイツの「隠れたチャンピオン」
ドイツ語の財務諸表②:貸借対照表の読み方

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