EBIT、EBITA、EBITDAとは?違いは? | ドイツビジネスコンサルティング

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EBIT、EBITA、EBITDAとは?違いは?

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EBIT、EBITA、EBITDAとは?

EBITA、EBITDA、EBITは、いずれも財務分析のための指標である。言葉が似通っているために紛らわしいが、それぞれ以下のように定義されている。

  • EBIT(Earnings before Interest and Taxes):
    『EBIT = 税引前当期純利益 +  税 +(支払利息 – 受取利息)』
    利息・税引前の当期純利利益を指す。
  • EBITA(Earnings before Interest, Taxes and Amortization):
    『EBITA = 売上 – 営業費用(売上原価・販売費・一般管理費)』
    または
    『EBITA = EBIT + 無形固定資産減価償却費』
  • 利息・税引・無形固定資産減価償却前の当期純利利益を指す。
  • EBITDA(Earnings before Interest, Taxes, Depreciation, and Amortization):
    『EBITDA = EBITA – 減価償却費(有形・無形)』
    利息・税引・減価償却前の当期純利利益を指す。“Depreciation”は、有形固定資産の減価償却費であり、 ”Amortization”はのれんやソフトウェア等の無形固定資産の償却費を指す。EBITDAは、この両方の減価償却費を除いた数値である。





EBITAは企業価値算定、EBITDAはM&A候補先評価で利用。

EBITAは、NOPLAT(及びROIC)の算出に利用される数字である。

(参考)NOPLATとは?計算方法は?(参考)ROICとは?計算方法は?

一方、EBITDAは複数のM&A候補先企業同士を比較する際に、利用されることが多い。また一歩踏み込んだ話となるが、これら以外にも「企業価値(EV: Enterprise value)」という指標が、株主・経営者・M&A業務担当者にとって重要となるため知っておくと損はない。

(参考)企業価値とは?なぜ企業価値やROICが重要視されるのか?(参考)各業界のROIC水準はどの程度?



M&A候補先となるドイツ中堅企業評価実務

弊社は日本本社へ向けて戦略コンサルティングサービスを提供しているが、日本企業様よりM&Aの相談を受けることもある。その際に、予めターゲットとしていわゆるドイツの「隠れたチャンピオン」を候補先企業として挙げられていることもある。
(参考)ドイツの「隠れたチャンピオン」とは?
しかしドイツの隠れたチャンピオンは、地方の中堅企業というケースが大半である。そのためドイツ語でしか取得可能できない情報も多い。その一方で、日本国内のコンサルティング会社は外資・国内資本に関わらず、英語と日本語で調査を進めることが大半である。故に、実は十分な情報が取得できていないという現状がある(かつ、そのことに気づいていない日本企業も多い)。
例えば、当該企業の詳細な財務諸表はドイツ語でのみ取得可能だというケースは多い。(※但し、SpeedaやS&P等の有料サービスでも財務諸表は取得可能だが、それは最新版でなかったり、売上のみ取得可能だったりと取得可能な粒度が全く異なる。)
実際、以下表(またはリンク先の2ページ目)を見て比較して頂きたい。
これは2017年に独メディア主催の「隠れたチャンピオン賞」を受賞したA社の損益計算書である。
※ ピンク色部:某有名データベースで取得可能な損益計算書の粒度、
※ 青色部:ドイツ語調査で取得可能な損益計算書の粒度

 
故にドイツの、特に中堅企業を財務分析を実施するためには、ドイツ語での調査が欠かせないことにも留意すべきだ。
ドイツ語の財務諸表①:損益計算書の分析
ドイツ語の財務諸表②:貸借対照表の読み方

(参考)ROA、ROI、ROEとは?違いは?
(参考)オフバランス化、リースのメリットとは?
(参考)CAGR(年平均成長率)とは?Excelでの計算は?
(参考)営業フリーキャッシュフロー(FCF)とは?

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